2009年 10月 21日
明日はいよいよ。 |
明日は、いよいよ待ちに待った人工内耳を作動させる日です。
今まで、すでに手術を経験された方のブログを読ませてもらったり、ドクターに何度も説明してもらって、「最初から上手くは聞こえない。長い期間でだんだんと少しずつ慣れていくようになる。」とは聞いているので、分かってはいるのですよ。
とは言え、どんな感じなんだろう、数%の確率で起こるというインプラントの手術を受けても何の効果もなく聴こえないケースになったらどうしよう...と、不安材料は考えれば考えるほど募ってくるわけです。
しかし、今さらあれやこれやと考えても仕方ないわけで、脳の活動がこれ以上活発にならないように甘ーいパイを焼いたり、くっだらない軽ーい感じのエッセイを読みながら「ぷぷっ」と吹き出してみたりと、非常にゆるく活動中です。
2007年の暮れあたりから自覚できるほどに聴力がだんだんとなくなっていき、2008年の春からは補聴器使用を始めました。しかし、ここ半年ほどで急激に補聴器でも音が拾えなくなっていき、夏頃にはほぼ完全に両耳とも失聴してしまいました。
原因は特定できないのです。ウィルスによる感染でもないし、他の病気の合併症でもないし。
ただ音の振動を信号に替えて脳に伝える蝸牛(耳の奥のカタツムリ状になってるところです)の細胞が弱く死滅しているという現状しか分かりません。
蝸牛の奥にある聴神経がすでに破壊されていると致命的でインプラント手術は受けることができないのですが、幸い私の場合は神経は生きているので、自然の細胞の替わりに人工内耳を埋め込むことで人工的に音を電流に替えて聴神経を直接刺激することで、聞こえを戻す選択肢がありました。
人の蝸牛には1万数千個の音を感じる細胞があるそうですが、それを人工内耳の20個の電極(フランスの社会保険で全額補償されるメーカーの人工内耳は20個なんです。日本でメジャーなメーカーのものは22個らしいです。)のみで音を察知するわけで....そう考えれば、ドクターの言うことも理屈的には深く納得なんですが。
やはり...それでも期待してしまうのですよね....起こるわけないのに、明日には「すごく聞ける!」というマジックのような出来事を。
術後に撮った頭部のレントゲン写真で見た、真っ暗な中でひと際光るクラゲのような物体。
それが埋め込んだ人工内耳。
しっかりと20個の電極も見え、イカの足のようだったなー。
「こんなのが頭の中に入ってるのかー」と思うと、ちょっと不気味な気もするけど。
明日になったら耳の後ろにつけるスピーチプロセッサ(ここで音をシグナルに替えます)と頭につけるアンテナ(ここから皮膚の下の人工内耳にシグナルを伝えます)と共に、これから私の耳になってくれるパートナーです。
ちょうど耳が悪くなってきた時期に重ねて、カナダ学生生活から撤退して結婚してフランスに移住してと人生の大きな変化もあり、新しい環境に入るたびに、将来のプランを思い描くたびに、この少し暗い影のような問題がいつもついてきて。
いつも「耳の問題さえなければ」とか「手術して耳が良くなったら」という思いがあまりにも強くなっていて、自分自身で卑屈になって苦しく感じていたこともありました。
でも、時間の経過と共に精神的に強くなった部分もあるのかもしれませんが。
今の私なら、「聞こえないのもまたそれも私の人生、それならそれでなんとかやっていく」というような決して後ろ向きではない考え方もできるし。
また反対に、「人工内耳に長い時間をかけて慣れていって、よりよく聞こえるための努力ならなんだってしてやる」という意欲もあります。
だから期待もするけど、仮に期待が裏切られても、それなりのバックアップは出来ているというか、そんなところです。
と、こんなことを書いておきながらも、やっぱしどこかでドラマチックな展開が好きな私は「こんなに聞けるようになるなんて!」という奇跡も想像する....
アップルパイを食べながらも頭の中が堂々巡りです。思考停止のために作った甘い物が役にたっとらん。
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今まで、すでに手術を経験された方のブログを読ませてもらったり、ドクターに何度も説明してもらって、「最初から上手くは聞こえない。長い期間でだんだんと少しずつ慣れていくようになる。」とは聞いているので、分かってはいるのですよ。
とは言え、どんな感じなんだろう、数%の確率で起こるというインプラントの手術を受けても何の効果もなく聴こえないケースになったらどうしよう...と、不安材料は考えれば考えるほど募ってくるわけです。
しかし、今さらあれやこれやと考えても仕方ないわけで、脳の活動がこれ以上活発にならないように甘ーいパイを焼いたり、くっだらない軽ーい感じのエッセイを読みながら「ぷぷっ」と吹き出してみたりと、非常にゆるく活動中です。
2007年の暮れあたりから自覚できるほどに聴力がだんだんとなくなっていき、2008年の春からは補聴器使用を始めました。しかし、ここ半年ほどで急激に補聴器でも音が拾えなくなっていき、夏頃にはほぼ完全に両耳とも失聴してしまいました。
原因は特定できないのです。ウィルスによる感染でもないし、他の病気の合併症でもないし。
ただ音の振動を信号に替えて脳に伝える蝸牛(耳の奥のカタツムリ状になってるところです)の細胞が弱く死滅しているという現状しか分かりません。
蝸牛の奥にある聴神経がすでに破壊されていると致命的でインプラント手術は受けることができないのですが、幸い私の場合は神経は生きているので、自然の細胞の替わりに人工内耳を埋め込むことで人工的に音を電流に替えて聴神経を直接刺激することで、聞こえを戻す選択肢がありました。
人の蝸牛には1万数千個の音を感じる細胞があるそうですが、それを人工内耳の20個の電極(フランスの社会保険で全額補償されるメーカーの人工内耳は20個なんです。日本でメジャーなメーカーのものは22個らしいです。)のみで音を察知するわけで....そう考えれば、ドクターの言うことも理屈的には深く納得なんですが。
やはり...それでも期待してしまうのですよね....起こるわけないのに、明日には「すごく聞ける!」というマジックのような出来事を。
術後に撮った頭部のレントゲン写真で見た、真っ暗な中でひと際光るクラゲのような物体。
それが埋め込んだ人工内耳。
しっかりと20個の電極も見え、イカの足のようだったなー。
「こんなのが頭の中に入ってるのかー」と思うと、ちょっと不気味な気もするけど。
明日になったら耳の後ろにつけるスピーチプロセッサ(ここで音をシグナルに替えます)と頭につけるアンテナ(ここから皮膚の下の人工内耳にシグナルを伝えます)と共に、これから私の耳になってくれるパートナーです。
ちょうど耳が悪くなってきた時期に重ねて、カナダ学生生活から撤退して結婚してフランスに移住してと人生の大きな変化もあり、新しい環境に入るたびに、将来のプランを思い描くたびに、この少し暗い影のような問題がいつもついてきて。
いつも「耳の問題さえなければ」とか「手術して耳が良くなったら」という思いがあまりにも強くなっていて、自分自身で卑屈になって苦しく感じていたこともありました。
でも、時間の経過と共に精神的に強くなった部分もあるのかもしれませんが。
今の私なら、「聞こえないのもまたそれも私の人生、それならそれでなんとかやっていく」というような決して後ろ向きではない考え方もできるし。
また反対に、「人工内耳に長い時間をかけて慣れていって、よりよく聞こえるための努力ならなんだってしてやる」という意欲もあります。
だから期待もするけど、仮に期待が裏切られても、それなりのバックアップは出来ているというか、そんなところです。
と、こんなことを書いておきながらも、やっぱしどこかでドラマチックな展開が好きな私は「こんなに聞けるようになるなんて!」という奇跡も想像する....
アップルパイを食べながらも頭の中が堂々巡りです。思考停止のために作った甘い物が役にたっとらん。
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by stchamasian
| 2009-10-21 16:42
| 人工内耳